東京高等裁判所 昭和28年(て)13号 決定
〔抄 録〕
検察官の請求の要旨は、本件判決理由の事実の摘示第二記載の罪について大赦があつたから、その余の罪について刑を定められたいというのであるが、右の判決を精査すると、それはその理由第二記載の事実に対し日本銀行券預入令の特例の件(昭和二一年勅令第九〇号)第二条第三項を適用処断していることが明らかである。そして大赦令(昭和二十七年政令第一一七号)によると、日本銀行券預入令(昭和二一年勅令第八四号)に違反する罪は大赦の対象となつているが、日本銀行券預入令の特例の件については別段の規定がなく、なお右特例の件の罪は日本銀行券預入令違反の罪と性質を同じくする旧令の罪(前記大赦令第一条第百十七号)であるともいえないから、要するに右の罪については大赦がなかつたものといわなければならない。従つて本件の請求はその前提を欠き、理由がないことになるのでこれを棄却することとし、主文のとおり決定する。